(持込み日とAWB発行日の間に貨物事故が起きました。)

Q.
危険物貨物を航空会社に持ち込んだのが金曜日。AWBは月曜日に作成されました。 週末に事故が発生し、危険物貨物が損傷を受けました。航空会社はAWBの日付が月曜日なので、貨物が正式に受託されていない週末の事故なので、責任は負えないと言います。ご教授願います。 (2019.3.31)

A.
日常的に起こり得るケースです。条約を忠実に守って作業を行なっていれば、問題は起きないのですが、日常的に簡易化され、便宜上実行されている商習慣で、規定を守らずにショートカットをすると思わぬ落とし穴に落ち込みます。先ずは、正しい手順を解説しましょう。そして、日常の誤りを指摘して見ましょう。

(1) ワルソー条約第6条第1項に「航空運送状は荷送人が原本3通を作成して貨物と共に交付しなければならない」となっています。
ここで、下記の問題が発生しています。

(a) 貨物をAWBなしで持ち込んだ荷送人の誤り、
(b) AWBを伴わない貨物を受け取った航空会社の誤り (航空会社はAWB不備で受託を拒否すべきであった)
(c) 受託をしてない貨物を善意で預かった誤り (ワルソー条約を離れた管理責任が発生します
  – この場合の損害賠償限度額は時価で青天井、ワルソー条約の庇護は受けられません)、
(d) 月曜日に作成した AWBの発行日を金曜日に発行したとして置けばよかったこと
  (紛争では虚偽の日付と糾弾されるが……..)。

(2) AWBの表面の一番下の行に Executed on (Date) “作成日” 、at (Place) “作成場所” 、Signature of Issuing Carrier or its Agent "発行運送人もしくはその代理人の署名” とあります。これが AWBの日付 (AWB Date) であり、国際航空貨物の運送責任の発効した日になります。航空機への搭載日や、航空機の出発日ではありません。AWBが無ければ運送責任は始まっていません。青天井の時価を要求する荷主と、善意で預かったので責任は持てないと言う航空会社との間で長い法廷闘争になるでしょう。


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