(放射性物質のB (U) 型容器とB (M) 型容器について教えてください。)

Q.
放射性物質のB (U) 型容器とB (M) 型容器について DGR 10.3.11.6.2 に B (U) 型、B (M) 型とC型容器の収納物については許可証に示されているとおりでなければならないとあります。また、10.5.11.1 Activity Limits (放射能限度) には、(b) 特別型については、 A1の値の3,000倍もしくは、A2の値の10万倍、(c) 非特別型については、A2の値の3,000倍の放射能値を収納してはならない、とあります。解説をお願いします。 (2019.2.28)
A.
先ず, 一般に使用されているA型容器 (Type A package) と適用除外放射性物質の容器 (日本ではL型包装物と呼ばれているもの) (Radioactive material excepted package) は別として、B (U) 型、B (M) 型とC型の容器はすべて特注 (注文生産) になっています。東京駒込にある日本アイソトープ協会が一手に注文を引き受けて、生産しています。また、B (U) 型については、ユニラテラル (一国許可) である発地国日本の文部科学省の容器に対する許可証を取得し、B (M) 型に付いては、マルチラテラル (複数国許可) である、発地国、すべての通過国・経由国と仕向け国の容器に対する許可証を取ってくれます。貨物を輸送するときには、これら許可証のオリジナルを添付しなければなりません。コピーでは輸送できません。放射性物質がカプセルに入っている特別型の場合は、カプセルの許可証も文部科学省から取って来てくれます。

収納できる放射能値は、特別型で A1値の3,000倍もしくは、A2の値の10万倍ですから、表 10.3.A の一番上の Ac-225を例にとれば、A1の値は0.8 TBqですから、0.8 TBq X 3,000 = 2,400 TBq、A2の値は 0.006 TBqですから、0.006TBq X 100,000 = 600 TBqとなり、どちらか低い方が限度ですから600 TBqが B (U) 型、B (M) 型容器に特別型を収納した場合の限度になります。非特別型の場合は、A2の値の3,000倍ですから、0.006 TBq X 3,000 = 18 TBq がB (U) 型、B (M) 型容器に非特別型を収納した場合の限度になります。

では、実際の出荷に、B (U) 型、B (M) 型、C型とある容器のうち、どの容器を使用するかは、核種、特別型か非特別型か、放射能値、物理的な形状、化学的な性質、用途、発地国、通過国・経由国、仕向け国、航空会社、路線経路、機材、容器の希望価格などの要素によって選択し、最も当該放射性物質を輸送するに適した容器に決まります。

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