(AWBの裏面約款は Condition of CarriageであるべきなのにCondition of Contract (契約条件) となっています。何故ですか?)

Q.
AWBの裏面約款 (Condition of Contract) の意味するところを教えてください。通常、海上のB/Lや、保険証券の裏面には約款そのものか、約款の要約 (ショート・バージョン) が記載されて、運送契約そのものを意味しています。AWBの場合、約款そのものでなく、IATA のResolution をそのまま記載しています。また、運送約款を意味する Condition of Carriageではなく、Condition of Contractとなっています。何故ですか?

また、IATA決議は航空会社だけのものでしょうか? それとも加盟代理店も順守が義務つけられているのでしょうか?  (2019.1.31)
A.
AWBの俗称「裏面約款」は正式には “Condition of Contract” (運送契約の条件) で、全IATA加盟航空会社が共通して順守しなければならないIATA決議600b郷の文章が掲載されています。IATA決議600a号に基づく「表面約款」と併せて、IATA航空会社と荷主の間で取り交わされる「運送契約」のIATA加盟全航空会社の統一契約条件になっています。

この他、各航空会社は独自の「国際航空貨物運送約款」”Conditions of Carriage – International Cargo” を持っていまして、AWBの「統一約款」に言及されていない細かい運送条件に関する条項が記載されています。「国際航空貨物運送約款」は全IATA航空会社の賛同が得られず、IATA勧告 第1601号 (IATA Recommended Practice 1601) として骨子が書かれています。各航空会社は勧告 第1601号の骨子からあまり離れることなく、似たり寄ったりの「国際航空貨物運送約款」を作っています。従って、航空運送に関して、荷主と航空会社との間の契約条件は、AWB表面と裏面の Conditions of Contract と 当該航空会社の Condition of Carriage に書かれている条件で運送契約がなされていることになっています。各航空会社の「国際航空貨物運送約款」(Condition of Carriage – International Cargo) は航空会社のホームページもしくは事業所で閲覧、取得することができます。

IATA貨物代理店は、IATA決議 第801号 “Cargo Agency Rules” の条件を満たして、審査を受け、通れば、IATA貨物代理店として認定されます。IATA貨物代理店はIATAの諸規則に従ってIATA航空会社のために貨物の販売・集荷を行なうのですから、必然的にIATA 決議を守らなければなりません。そして晴れて、IATA決議 第801a号 “Cargo Agency Agreement” の正式IATA貨物代理店契約を締結します。IATAはメンバー航空会社に新貨物代理店の任命を通知し、忌避したい航空会社はその旨、IATAに通告します。貨物代理店はIATA航空会社のAWB番号の割り当てを受け、営業活動を開始します。これが全容です。

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