(粘性物質の場合、1包装物の許容数量限度のルールを教えてください。)

Q.
粘性物質 (Viscous Substances) は Table 3.3.Bの試験基準に当て嵌めて粘性度が高いと、PG IIから PG IIIに格下げされて、1包装物の最大許容量が変わると聞きました。良く分からないので、具体的な実例で教えてください。 (2018.11.30)

A.
先ず、引火点が23℃ 未満 (PG はIIに該当する) の ペンキ、エナメル、ラッカー、ニス、接着剤、光沢剤のような粘性の引火性液体 (Viscous flammable liquids) は、国連の UN Manual of Tests & Criteria, Part III, subsection 32.3 の規定を守ることにより、PG III に格下げして割り当てることが出来ます。粘性度の測定は、粘性物質の流れる速度を計測する “Flow Cup Method” (流れ速度方式) によってTable 3.3.B の最初の欄を除いた、右の3個の欄 【流出時間(秒)、流出孔(mm)、引火点】 により判断が可能です。引火点が低ければ低いほど、たとえ流出孔が広くなっても、流出に要する秒数は多くなる、即ち、粘りっ気が強くなる (火が付き難くなるのですから、本来のPG IIをIIIに格下げしても良いのです)。

“Flow cup method” で粘性度が測定できない時は、1番左の 23℃ における「動粘性率」(kinematic viscosity, 記号は “v“ ) (23℃における mm2/s) により測定します。引火点が低いものであっても、1平方ミリメートルに広がる時間は長くなる、即ち、 ”動粘性度” (kinematic viscosity) が高く、火が付き難いのです。

このようにして、粘性物質と決定されたものは、PG IIであってもPG IIIの取り扱いを受ける事が可能になります。取扱いが緩やかになるのです。厳しくなるのではありません。包装物の最大正味量限度は青いページのPG IIの値ではなく、DGR 3.3.3.1.1 (d) に書かれているように、旅客機搭載ならば1包装物の正味限度量は30L、貨物専用機搭載ならば1包装物の正味限度量は 100Lの値に拡大した値を使用します。数多い、危険物の規定の中でも、粘性物質の規定は規則を緩やかにする規定であることに留意してほしいと思います。

例を1つ上げて見ましょう。UN1133 Adhesive Class 3 PG II で数量は10L、但し、粘性物質と言う筋書きです。青いページで調べると、UN1133 のPG IIは旅客機搭載としてPI353で最大正味量は5Lです。Table 3.3.Bにより粘性物質なので、外装容器の最大正味量は30Lとするとありますから、輸送できることになります。PG IIの粘性の引火性液体をPG III扱いに出来る、規則を緩和したルールなのです。厳しくしたものではありません。


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