(リチウム電池に関わる特別規定 SP A88とSP A99の質問です。)

Q.
SP A88 はリチウム電池の試作品 (Prototype lithium battery) を輸送するためのICAO 技術指針の追補版に掲載してある PI 910に準ずるとなっています。ICAO Technical Instruction Supplement のPI 910を調べますと、『30 kg を超えるセルもしくはバッテリーは1個の外装容器に1個以上収納してはならない』と書いてあります。 私はこの規則から、もし、バッテリーが30 kg以下であったなら、外装容器当たりの個数制限は無いと解釈します。間違っていますでしょうか?
SP A99 は正味重量が 35 kgを超えるバッテリーに適用になります。もし、バッテリーの正味重量が 35 kgに満たない場合には、荷送人は SP A99を守る必要は無いと解釈します。私の解釈で宜しいでしょうか? (2018.6.30)
A.
SP A88 はリチウム電池の試作品のための特別規定で、SP A99は正味重量が35 kgを超える大型リチウム電池の為の規定です。この2つの特別規定を混合しないでください。

SP A88
A88 の文面の中に35 kgを超えた場合と言及されているのは、もし、荷送人が35 kgを超えるリチウム電池の試作品を輸送しようとするならば、SP A88に基づいた許可のみを一件取得すればよい。試作品の輸送許可をSP A88で取り、さらに、35 kgを超えているので、SP A99に従って別の許可を取らなくても良いとの説明をしたのである。何れにせよ、PI 965からPI 970 の規定でCAO搭載貨物については、1外装容器の最大許容量は35kgに制限されている。

SP A99
SP A99 は正味重量が35 kg を超える大型リチウム電池のためにある特別規定です。荷送人の準備したバッテリーが35 kgに満たないものであれば、SP A99は適用しない。従って、バッテリーが仮に20 kg であるとしたら、SP A99は全く適用にならない。

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