(TACT Rule BookのValuation Chargeについての質問です。)

Q.
TACT Rule Book の 3.2 の換算レート表の末端に 19SDR のみに対して “ *For information purpose only” と記載があります。3.2 に記載されている 19 SDR 換算レートを使用しても問題はないのでしょうか? また、19 SDR が “ *For information purpose only” となっている理由は何でしょうか? どうして、19 SDRだけなのでしょうか? 17 SDR にはアステリスクは付いていません。 (2017.3.31)

A.
Valuation Charge と言う料金は、本来、AWB発行日当日の SDR 換算率を用いて計算しなければならないものです。AWBの裏面約款にも、各航空会社の国際貨物運送約款にも、「意図的に」従価料金の計算方法の詳細な説明は書かれていなと思います。その日その日の換算率では実務が不可能なので、IATAは一年を4ヶ月ごとに割り振った IATA Clearing House Monthly 5 Day Rateの換算率を「便宜上」使用する事に決めました。あくまでも、実務上の「便法」ですから、”For information purpose only” として業界で使って貰っています。19 SDRの欄が出来る以前の TACT Rule Book には 17 SDR のところにアステリスクがあったのではないかと思われます。

何故、17 SDR にアステリスクが無く、19 SDRだけにアステリスクがあるのか、分かりません。アステリスクを最初に付けた意図から考えれば、ウッカリ・ミスとしか思えません。ハッキリと分かっているのは、AWB Conditions of Contract の書き出しの文章の中と、その第4項に、条約・議定書の如何に係わらず、運送責任限度額は 19 SDR とIATA決議で人為的に定めている事です。従って、TACT Rules 3.2 に 17 SDR の換算率を引き続き掲示する必要はなく、すべて 19 SDR のみの換算率で済むことなのです。

AWBの裏面約款で 1kg 19 SDRと宣言しているのに、Valuation Charge を「低い 17 SDR」で計算して、超過額に対して 0.75% の従価料金を徴収しては「詐欺」と言われても反論できません。19 SDRを宣言しているのですから、19 SDRを超えた価値を申告された場合にのみ、従価料金を徴収できるのです。ワルソー・ヘーグの USD20.00 もしくは MP-4の 17 SDR を超えた場合に、従価料金を徴収したら、「詐欺」と言われます。

TACT のルールは時折、up to date になっていない場合が多いと思います。特にValuation Chargeの項は問題山積しています。

クレーム処理の場合、どの条約、どの議定書が適用になるか、チェックしなければならないのは、運送責任限度額ではなく、「過失推定主義」なのか、「厳格責任主義」なのかと言う点です。方や、「言い訳が出来る」、片や、「言い訳は出来ない。飛んだ方が悪い」のですから、交渉の仕方が違います。


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