(細字の説明文についての質問です。)

Q.
UN 2586 Alkylsulphonic acids,liquid の正式輸送品目名にwith not more than 5% free sulphuric acidと補足された危険物申告書が搬入されました。DGR4.2にはwith 5% or less free sulphuric acidと細字で補足されています。 
DGRどおりに記載されていないが、記載している内容に差異はなく、そもそも細字は正式輸送品品目名の一部ではないため、受託可能と判断します。先生の見解をお聞かせください (2016.6.30)
A.
これは単なる英語の表現の問題ですね。DGR 4.2 には細字で "with 5% or less free sulphuric acid" (5% もしくは 5% を超えない硫酸含有量) と記載されています。提出された申告書には、"with not more than 5% free sulphuric acid" (5% を超えない硫酸含有量) とあります。まったく同じ意味です。受託して差し支えありません。

DGR 8.1.3.5 に PSN は DGR 4.2 に記載されているスペル、語順が望ましいが、単数、複数の違い、語順が逆でも、イギリス語綴り、アメリカ語綴りでも構わないとあります。まして細字の説明文は意味が正しければ、例えば、with 4% free sulphuric acid と記されていても、規定の 5% 以内なのですから、構いません。

英語には、日本語のような「以下」、「以上」の表現はありません。日本語では単に「5%以下」と書けば 「5% に等しいか、もしくは 5%を超えない」と言う意味になります。英語では "equal to 5% or less" 又は "5% or less" と書かなければ 5% が対象内なのか、対象外なのか判然としません。"Less than 5%" と書かれていると、5% は対象外になってしまいます。日本語で「5% 以上」と書けば、自動的に 「5% もしくは 5% を超えて」と解釈出来ますが、英語では "more than 5%" だけでは 5% は含まれません。5% を含めるのであれば "5% or more" と書き、5% を含めないのであれば "more than 5%" もしくは "exceeding 5%" と書きます。

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