(TACT Rule BookのValuation Chargeの項に17SDRと19SDRが併記されているのは何故ですか?)

Q.
TACT Rules Book のValuation Charge の項に、17SDRと19SDRの対価が併記されています。運送人の責任限度額は1kg当り19SDRと認識していますが、17SDRを使用する場面はどのような時でしょうか? MC99第24条に基づき5年毎の見直しが2009年に行われ、現在は17SDRから19SDRへ変更となっているため、17SDRを使用する場面はないと考えます。では、何故TACTへ記載されているのでしょうか? ですが、条約上の17SDRは修正されることなくそのまま残されていること、また今後も5年毎の見直しは継続実施されるため、場合によっては19SDRより下がる可能性がある。但し、条約上で上限を17SDRとしているためこれを下回ることはなく、常に17SDRは限度額上限の基準としてTACTに記載され続けるのではと思います。ご教示のほど、よろしくお願いします。

更なる質問ですが、条約・議定書によって17SDRで算出したりするという解説について、モントリオール第4議定書、モントリオール条約上は17SDRと記載されていますので、IATA加盟航空会社ではないなど、IATA決議には左右されず賠償金算出時に条約上の規定通り17SDRで処理を実施する航空会社などが利用するのでしょうか? (2016.3.31)

A.
まったく違います。TACT Rules の Valuation Charge に掲載されている 17SDR と 19SDR の対価はValuation Charge を計算するためのもので、損害賠償金の算定に使用するものではありません。条約・議定書によって、Valuation Charge を 17SDR で算出したり、19SDR で算定したりするので、両方記載されているのです。換算はValuation Charge の計算を容易にするため、毎日変わる日ごとの換算率を使わずに、1年を 3回に別けた、IATA Clearing House (精算所)の換算率を使用して簡便化を図っています。実際の損害賠償金の算定は、示談が決着した日、もしくは、裁判で最終弁論が行われた日の SDR 対価でなされます。しかも、条約・議定書が何であれ、IATA が人為的に AWB Conditions of Carriage の第4項で 19SDR と定めています。裁判で原告が条約・議定書の規定の適用を主張し、裁判所が認めた場合 (例えば 250フランス金フランを適用した場合)、金の市場価額は 3/18/2016の時点で 1グラム4,909円ですから、250フランス金フランの対価は 72,346円になります。裁判所が認めないかぎり、すべてのクレームは 19SDR で処理されます。示談が締結された日のSDR 対価です。TACT Rules の Valuation Charge とは全く関係がありません。IATA が勝手に AWB Condition of Carriage の第 4項で条約・議定書の如何を問わず 1kg 19SDR に定めた事は、条約・議定書の文面まで変えた訳ではありません。従って条約・議定書の上では、ワルソー、ヘーグ、グアダラハラ条約は過失推定主義で250フランス金フラン、MP 4では無過失主義で 17SDR、MC99 では無過失主義で 19SDR の法的な物差しは変わっていません。

IATA の私的解釈を鵜呑みにしていれば、19SDR (3/18/2016の時点で2,974円)の賠償額ですが、ヘーグでは、250フランス金フランの金含有量の値の時価換算値と議定書の上で決まっていますから (3/18/2016の時点の金相場で 72,346円)になります。オーストラリヤと大阪での裁判の判例もあります。IATA airline も non-IATA airline も、AWB Conditions of Carriage を守っていますから、MP4 運送だからと言って 17SDR を採用するような会社は聞いた事がありません。MC99 は条約上、17SDRではなく19SDR です。憲法より


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