(リチウム電池の輸送に関する最近の動静を教えてください。)

Q.
2015年3月に上海で開催されたWorld Cargo Symposium 2015でリチウム電池輸送に関する討議が活発に行われたと聞いています。最近の動静をお聞かせ下さい。 (2015.4.30)

A.
確かに上海のWorld Cargo Symposiumではリチウム電池の輸送が脚光を浴びました。

アメリカ航空局 (FAA) の実施した実験の結果、リチウム電池が過熱状態になった場合や、ショートした場合には爆発性のガスを絶えず排出する事が判明しています。このガスは主として水素ガスで、蓄積すると爆発もしくは火災を起こします。4月には、Boeing社やAirbus 社の代弁を行なっているAerospace Industry AssociationのInternational Coordination Council (航空宇宙産業協会の国際調整評議会) がリチウム電池の輸送について、より丈夫な包装とより厳しい取扱い方法を進言しています。

アメリカ航空局の実験では、航空機に常備の消火設備では、大量のリチウム電池の火災を鎮圧したり、鎮火させることは不可能であることが立証されています。リチウム電池を航空機の貨物室で輸送することは業界にとって受け入れることの出来ない危険を伴うと判断されています。リチウム電池のメルトダウンの可能性を防ぐ新しい防火技術は未だ発見されていません。アメリカ政府は長年にわたってリチウム金属電池の旅客機での輸送を禁じて来ました (USG-02)。

また、世界の主たる航空会社20社以上 (大小取り混ぜて50社以上) がリチウム電池の航空輸送について異議を唱えています。この度、カンタス航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、Virgin Australia航空に続いてキャセイ航空もリチウム・イオン電池の貨物機並びに、旅客機での輸送を禁止しました。装置に装着されている場合と使用する器具・装置と同梱されているものは除かれます。キャセイ航空の貨物本部長の James Woodrow氏はIATAの貨物分科会の議長の重責を務めています。


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