(電池について書かれている特別規定A123について教えてください。)

Q.
特別規定A123は蓄電池に対する規定なのでしょうか、それとも乾電池にたいての規定でしょうか、教えてください。 (2013.8.31)
A.
特別規定A123はDGR 4.2の危険物リストに細字で掲載されているBatteries, dry (乾電池) に付随している特別規定です。乾電池は本来「非規制品(Not Restricted)」扱いですが、特別規定A123を満たさなければNot Restrictedにはなりませんので注意を要します。特別規定A123は次のように書かれています。

『この記載はDGR 4.2の危険物リストに別段の記載のある電力を貯蔵するバッテリー以外のものに適用になる。それらのバッテリーの例として挙げれば、アルカリ・マンガン、亜鉛カーポン、ニッケル金属ハイドライト、ニッケル・カドミュウム電池がある。電力を貯蔵する如何なる電池、もしくは、電池で作動する器具、装置もしくは、車両で、危険な程度の熱を発散する恐れのあるものは、下記を防止する手段が講じられていない限り、輸送してはならない。

(a) ショートをしないようにすること。(例えば、バッテリーの場合には、露出した端末を効果的に絶縁すること。また、器具/装置の場合は、バッテリーを器具/装置から外し、露出した端末を絶縁すること。

(b) 誤作動を防止すること。

Not Restrictedの文言と、この特別規定番号がDGR 8.2.6に要求されているとおり、AWBが使用されていれば、AWBの物品名の欄に記載されていなければならない。』


DGR の青いページのBatteries, dryには短剣のマークが入っています。付録Aを見ると、下記の解説が書かれています。

『Batteries, dry (乾電池) 密閉されている、通気孔のない種類のもので、懐中電灯や小さい器具の作動に使用するもの。それらは亜鉛塩や他の固体を含んでいるか、ニッケル・カドミュウム式のものか、または、他の金属の複合体のものがある。そのようなバッテリーを包装するに当たって、ショートをしないように効果的な防御策が講じられていなければならない。また、包装の中で移動して、ショートするような状況を起こさないようになって居なければならない。このようなバッテリーの例として、アルカリ・マンガン、亜鉛カーボン、ニッケル金属ハイドライト、ニッケル・カドミュウム電池がある。』

と言うわけで、我々が通常使用している全ての乾電池に特別規定A123を遵守しないと輸送は出来ません。乱雑に包装して、プラスとマイナスが接触して、熱を出してしまわないように、内装容器に一本一本、乾電池を絶縁して動かないように包装しなければなりませせん。

[閉じる]


Copyright (C) 2003  Kinoshita Aviation Consultants All rights reserved.