(異なる危険物を同梱した貨物 (APIO) を複数、一つのオーバーパックに収納しても構いませんか?)

Q.
複数の異なる危険物を同梱したAll packed in oneを準備しました。そのようなAll packed in oneの貨物を複数個、一つのオーバーパックの中に収納しても良いでしょうか? 例えば、4個の異なったAPIO包装物を一つのスキッドの上に載せて、オーバーパックにしてもよろしいでしょうか? (2012.7.31)
A.
ハイ、構いません。All packed in oneされているすべての物質がお互いに危険に反応することが無く、且つ、Table 9.3.Aにより隔離の必要が無ければ、一緒のオーバーパックにまとめて構いません。この場合、主危険性と副次危険性のすべてについて危険な反応と隔離の要・不要を精査します。

DGR 5.0.2.11 (a) と (b) をそれぞれ当てはめてください。5.0.2.11 (a) は接触した場合、化学的に相互に危険に反応するかしないか、(b) はTable 9.3.Aにより隔離の必要があるか無いかを判断します。(a) と (b) とはまったく異なった見地からの審査ですので、混同しないでください。例えば、同じ第8分類でTable 9.3.Aでは隔離不要になっていても、強い酸類 (Class 8) と強いアルカリ類 (Class 8) は混合すると激しく反応するので一緒に置くことは出来ません。

また、区分4.3 (Dangerous when wet) と第8分類 (Corrosive) はTable 9.3.Aによれば隔離の必要がありますが、この理由はお互いの物質が接触して危険を呈するのではなく、他の危険物と異なり、第8分類の物質は漏れた場合、他の貨物の包装を傷める可能性があります。もし、区分4.3の物質が収納されている貨物の包装が痛んだら、4.3の物質が外気にさらされ、引火性のガスを発散することになるかも知れません。このような理由でClass 8と区分4.3は隔離するようになっているのです。このことに加えて、区分4.3があると、消火対策に水を使用できないと言う理由もあります。必ずしもClass 8 とDivision 4.3が相互に化学的に反応するわけではないのです。

[閉じる]


Copyright (C) 2003  Kinoshita Aviation Consultants All rights reserved.