(包装基準のページに政府例外規定と運航者例外規定が参照されています。仮にUSG-13が参照されていなければ、25kgルールは適用除外になりますか?)

Q.
例として、UN1993 Flammable liquid n.o.s.★ PI Y344 Ltd Qty 1個あたり10Lの貨物が16個のあったとします (10L X 16Pcs = 160L)。PI Y344には政府例外規定としてUSG-04しか載っていません。USG-13はPI Y344に参照されていません。USG-13が記載されていませんから、一機に全量160L運べますか? 因みにPI 355の場合は、USG-04とUSG-13が参照されているので、25kgルールが当てはまるのでしょうか? (2012.5.31)
A.
包装基準に参照されている政府例外規定の番号は殆ど意味がありません。その政府の担当者がIATA DGRの毎版をチェツクしてアップデートしている訳ではありません。アップデートもされずに、無責任、かつ、無意味な参照は紛らわしいので返って無い方が良いと思っています。貨物を準備する場合は、必ず、DGR 2.8.2を参照して、すべての関係国の例外規定を自分でチェツクしてください。

USG-04は49CFR 172.101 Table 1 to Appendix AにあるRQ (Reportable Quantity) に関する事ですから、PIにUSG-04の記載が有ろうが無かろうが、RQの表に記載されているすべての危険物に適用になります。

USG-13は、その (d) 項にあるように49CFR 173.144に定義されているORM, Class 9の物資、放射性物質、交換部品として輸送される航空機バッテリー、及び、IATA DGRで危険物と考えられる物質または物件であっても49CFR 171-180に適合しないもの (Limited Quantity 及び Excepted Quantity のもの) を除く、すべての危険物に適用になります。PI Y344に適用しない、PI 355に適用すると言うものではありません。

アメリカへ行く,出る、通るすべての危険物、及び、アメリカ国籍の商業航空機への搭載には例外なくUSG-04とUSG-13は適用になります。49CFR 175.75 (c) の終わりに “The requirements of this paragraph (注: 25kg ルールのこと) do not apply to Class 9. ORM-D-AIR and Limited or Excepted Quantity material.” とあるようにLTD QTYは49CFRによれば25kgルールは適用になりません。49CFR 175.75 (f) のTableの脚注Note. d.にもLTD QTYには25kgルールは当てはまらないと書いてあります。しかし、IATA DGRのUSG-13とICAO TI Attachment 3 Chapter 1 US-13にLTD QTYを除外すると言う記載がないので、解釈は少々微妙ですが、そう言っても、49CFRはアメリカの法律ですから、アメリカに関する限り正しく有効です。

従って、お尋ねのUN1993 PG III PI Y344 10L X 16 pcsは49CFR 175.75 (c) により160Lの全量、旅客機のベリーに搭載して構いません。包装基準に参照されている政府例外規定の番号は無視してください。あまり意味がありません。

[閉じる]


Copyright (C) 2003  Kinoshita Aviation Consultants All rights reserved.