(特別規定A 154に欠陥のあるリチウム電池の輸送は禁止とありますが、どの程度までは許されるのでしょうか?)

Q.
リチウム電池が組み込まれた装置があり、不良品と判明したので、メーカーが送り返してくれと言っています。外観の損傷 (焼け焦げ) や焼け焦げの臭いもなく、リチウム電池そのものの不具合ではないと思われます。航空貨物として返品輸送しても良いでしょうか? (2012.1.31)
A.
SP A154には『リチウム電池で、製造業者により安全上の理由から欠陥があると認定されたもの、危険な熱、炎、もしくは短絡を生ずる可能性のあるものの輸送は禁じられている。(例えば、安全上の理由から製造業者に送り返されるものを言う)』と書かれています。

外観云々とか、焦げた臭いがしないとか、解説的な解釈は正しくありません。そのような解釈はSP A154の何処にも書いてありません。ICAOもIATAもリチウム電池については神経を尖らせています。DGRの第2章の冒頭のDGR 2.11の『如何なる状況下でも航空機での輸送が禁じられている危険物』のNote 2に『2.1.1は安全上の理由から製造業者に送り返す物品を含むことを意図している。例えば、欠陥のあるリチウム電池を言う。特別規定A154参照すること』と、わざわざ注意を付け加えているほどです。

心配なこと、不確かなことは行わない方が安全面から大切です。お尋ねの装置の不具合はリチウム電池の欠陥なのか装置の他の部分の欠陥なのか分からないのですから、リチウム電池を外して装置だけ返品することを薦めます。

[閉じる]


Copyright (C) 2003  Kinoshita Aviation Consultants All rights reserved.